詐欺被害から身を守る

いつになってもなくならない詐欺被害。道徳を重んじる日本国民も、文化の変化や外国からの移住者により犯罪は増え続けているのが現状です。

特に高齢者に向けて詐欺被害は、年齢とともに物忘れが進み防衛能力が衰退していく高齢者の中で、今後も増加していくことになると思います。

こうした詐欺からも身を守るためにどうすべきか考えてみましょう。

目次

一つの事件から見えてくるもの

80代に高額保険 違法勧誘

2021年の3月14日の新聞に80代の女性に為替変動によっては損失の出る外貨建て保険、しかも6000万円なる高額な保険に勧誘したとして裁判になった記事が掲載されていました。

被害にあった女性は87歳で、2015年から2016年まで2つの外資建て保険6000万円を支払っていたそうです。しかも契約した際、契約書を持つ本人の写真まで撮影していたという内容であり、詐欺ではないにしろ悪質性が否めません。

さらに保険会社担当の男性社員は、本人と何度も食事を繰り返して遺言書を作るよう提案するなど、信用させる狙いが会ったのかもしれません。

発端は物忘れが進んだ女性の私物を、ご家族が整理していた際に契約書が出てきて分かったそうです。ご家族がから保険会社に損害賠償を求める裁判を起こし、幸い裁判では違法性が認められ、損失分を保険会社に支払うよう命じられました。

こうした高齢者を狙う勧誘は昔から問題になっておりますが、近くにご家族がいても気づかないこともあると聞きます。また高齢ともなると情報がキャッチ出来なかったり、正しい判断が出来ないなど、一人暮らしやご夫婦二人であっても、こうした勧誘に押し負けてしまう場合もあるでしょう。

また電話一本で人の弱みにつけ込み、その手口がますます巧妙になる一方の特殊詐欺などの被害もあとを絶ちません。後で冷静になれば分かることなのに、なぜ騙されるのだろうと不思議になるくらいです。

しかしその場面では、正常な判断を失うような会話が持ちかけられ、不安な気持ちを引き起こして信じこんでしまうようです。

こうした被害に合わないよう、最近の対人関係や初対面の人物などの接点がなかったか、不審な電話がなかったかなどご家族や親しい人が気をつけて見守っていく必要があると思います。

多発するコロナに便乗した特殊詐欺

コロナウイルスに関する不安をあおる特殊詐欺事件が多発しているようです。

コロナウイルスに関する融資話や助成金の話、感染予防と称してまったくする必要のない下水道工事の勧誘や、コロナウイルスの検査キットの販売をうたったもの等が流行っているようです。

普段から話をうのみにせず、誰かに相談してから返事する癖をつけておきましょう。

対策

勧誘方法別対処法(断るを恐れない)

こうした勧誘には電話での勧誘と直接訪問の場合、そして知人などを通しての勧誘がありますね。ではどのようにして回避すれば良いのか考えてみましょう。

対処方法を記述して貼っておく(マニュアル化)

こうした勧誘場面は、突然やってきます。
予め対処方法を決めて紙に書き、目につくところへ貼っておきましょう。
その場面が来たら、書いた通りに対応します。

こうした方法はマニュアル化と言い、誰が行っても同じ対応できるよう医療現場でも行っているものです。

電話勧誘

電話での勧誘に関しては、ナンバーディスプレイなら知らない番号なら電話に出ないことで回避出来ます。
しかし、どうしても出なければならない場合には簡単に断る方法があります。

それは、「今、家の者が不在なので私は分かりません。」と断りましょう。「私は分からないので、折返し電話しますから電話番号とお名前を教えて下さい。」と返答するのも良いです。これで押し通します。

それでも話を長引かせる場合は、「お客さんが来たので失礼します」で電話を一方的に切りましょう。

ナンバーディスプレイ対応なら電話番号を登録して着信拒否にすることも出来ます。

直接訪問の場合

直接訪問の際は、いきなり玄関を開けるのはよくありません。インターホン越しなら、電話と同じく「今、家の者が不在なので私は分かりません。」と断りましょう。また「今、手が離せませんので」と断ることもできます。

何せ、知らない人物とは接しないことです。

知人からの紹介

一番厄介なのは、知人を通して来る場合です。すぐに断れない場合は話だけ聞いて、家族と相談してから返事をするで良いと思います。

また返事はなるべく早くして丁重にお断りするのが一番です。

断ったことで知人と関係が悪くなるようであれば、それ以上の関係を続ける必要のない人として距離をおけば良いと思います。それだけの関係だったと割り切りましょう。

以上、お断りする方法を考えてみました。ここで大事なのは、相手に期待を持たせないことです。きっぱりと断ることが何度も勧誘されないコツなのです。

警察相談ダイヤル

警視庁ではこうした詐欺被害を防ぐために相談ダイヤルを設けています。ひょっとして詐欺かもしれない、でも相談できる人がいない方は、遠慮なく相談されると良いと思います。

番号は#9110です。

自らに学習させる(アウトプットする)

たとえ断わることで一段落ついたとしても、このような事があった事実はご家族や親しい方にはお話しておくべきです。そうすることで、再び起こっても自己防衛する能力が自然に備わります。また日記などに書き残すことで、自分の知識と経験となり記憶に残ります。

人間は、時間とともに忘れやすい動物です。こうした経験を、人に話したり日記に残したりして記憶に残すことで自らに学習させることをアウトプットといいます。

一番の対策は信頼する人が近くにいること

年齢とともに物忘れは進みます。やもすれば、それはやがて認知症となっていくこともあります。しかし、そうなったとしてもそれを自分で自覚することができません。

そんな症状になった時、自分の行動や症状に気づいてくれる信頼できる人が、側にいるいないではあなた自身の安全を守ることは難しいことになります。

いざという時に頼れる信頼できる方を近くに持つことは、ご自身の健康と生活を守る上で大切なことだと考えます。

99nurseでは、そうした高齢者を定期的に看護師が見守るサービスを行っております。遠方に住むご家族に代わって、故郷に住む身内の方の健康の様子や生活の応援をさせていただいております。

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